2008年09月07日

the letter と the spirit

 わかる、覚える、できる、気づく…、
「学び」の中身を考えて頭に浮かんできた言葉です。

 「学び」も、勉強、学習、稽古、習う…と
表現を変えると、その中身も変ってくるように感じます。
勉強には頑張って覚えるニュアンスを感じますし、
稽古には出来るようになるニュアンスを感じます。

 今日の午後NHKで、指揮者の西本智実さんが
「課外授業ようこそ先輩」という番組において、
小学校6年生のオーケストラの指揮の授業を扱った
「一歩踏み出す勇気」の放映を見ました。

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 最初に3拍子を体感するために体育館に行って
ドッジボールで3拍子のドリブルに挑戦していました。
その次には「白鳥の湖」を聴いて、その情景を画用紙に
描くという課題です。

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「白鳥の湖」のストーリーを聞いた後に「白鳥の湖」の
演奏に耳を傾けて、音楽を通して頭の中に「白鳥の湖」の
イメージを思い描こうとする子どもたちの姿が映し
出されました。

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その映像を見て、これは「学び」の原点の姿なのでは
ないかと、ふと、そんなことを考えました。

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 新しい小学校学習指導要領では、教科「音楽」の
目標として

・音楽を愛好する心情と音楽に対する感性を育てる。
・音楽活動の基礎的な能力を培う。
・豊かな情操を養う。

 1,2年生の鑑賞の内容を幾つか拾い上げると

・楽曲の気分を感じ取って聴くこと。
・楽曲を聴いて想像したことや感じ取ったことを言葉で
 表すなどして,楽曲や演奏の楽しさに気付くこと。


 コミュニケーションの中で、情報の内容を
正確に伝え、そして受け取るということがもっとも
大切なことだと思います。そして、それと同じ
ぐらいに、或いはそれ以上に大切なこととして、
その情報に込められた発信者の思いを感じ取る
ことではないかと思っています。

 音楽を聴いて、そこに込められた作曲家の思い、
そして演奏者の思いを感じ取ることは、まさにこの
コミュニケーションそのものではないかと思います。
そして言葉によるコミュニケーションに比べて、
感性や感覚が大切にされるように思います。 

 いつも私の研究にアドバイスとヒントを頂いている
先輩から、今度は大きなヒントをいただきました。
the letterとthe spiritです。論理的に読む取る能力
(skill,competence,ability)とともに、叙情的に
感じ取る感性(sensitivity,sense)も大切にしたいと
心から思います。そしてthe letter(字義)と
the spirit(意図、趣旨)とを併せて、はじめて
奥義(in letter and in spirit)を受け取ることが
できるのではないかと思うようになりました。
posted by student at 21:22| 日記